「武士の家計簿」

を見た。姉たちが封切りで観たとき、割と面白かったと言っていたので。

ほぼ前知識なくDISCASでレンタルしたので、堺雅人仲間由紀恵が主演だと分かった時は、あれ失敗した…見ないでこのまま返そうかと思ったけど、見始めると徐々に引き込まれて行った。

時代は天保(江戸後期)、実在した加賀藩お抱えの実直な勘定方(会計士)をモデルにした話だが、今の時代に通じる、メッセージ性の高い映画のようだった。実直に生きることの大切さというのもあるが、自分の家の借金が嵩んだ時、主人公は体裁に拘らず家にある美術品や貴重品を処分して身の丈に合った質素な生活をする道を選んだ。それが、今のこの国が選ぶべき道筋を示唆しているのかも、と思った。

知らなかったけど、監督は先日亡くなった森田芳光さんだった。森田映画ってこれまで何本か見たことあったけど(「それから」「キッチン」「メイン・テーマ」「失楽園」「模倣犯」など)、見た作品が売れ線でビミョーな映画ばかりだったせいか、いまいちピンと来なかった。それらの作品からこの映画に急に飛ぶと、なにがなんだか良く分からないし、作品リストを見るとホントに色んな映画撮ってたんだなぁと思う。というか、日本の監督って色んなの撮り過ぎじゃね?結局、本当に撮りたかったのはこのような作品なのだとしたら、これまでの印象とガラッと違って来る。

まぁ、映画はお金がかかるし色んなシガラミもあるだろうから必ずしも毎回作りたい映画だけ作るというワケには行かなかったのだろうけれども、できれば、どの作品も「ああ、あの監督らしい映画だな」と思えるような筋が一本通ってたら良かったのにな、と思う。勿論、同じ監督が撮っているのだから「らしさ」は随所にあるのだろうけど、ワタシには良く分からなかった。むしろ「これは山田洋次監督作品です」と言われた方が納得できたかも。

(ちなみに、森田監督も誕生日が1月25日ですって!)