映画を何本か

見た。最近のものでは、映画館で「64(ロクヨン)」「怒り」「後妻業の女」。レンタルでは「ジョゼと虎と魚たち」「凶悪」「セッション」「日の名残り」など。なぜか全体に、レンタルしたものの方が面白かった。

「64」は結構ミスキャストがあったんじゃないか。例えば瑛太があんな人だとはとても思えないから、いくら佐藤こういっちゃんが頑張ったところで現実味がぐっと薄くなる。映画にオールスターを揃えるって、無意味かも。面白くなかったわけじゃないけど。

「凶悪」は山田くんが凶悪犯人なのかと思ってたけど、違っていた。死体処理の場面では「冷たい金魚」をホーフツとする気持ち悪さもあったけど、あそこまでグロではない。ピエール瀧がとても良かった。リリーフランキーも、なんだろうね不思議な人。飄々としているから余計に怖いんだけど、それを狙いすぎると怖くなくなるという微妙なところ。

「怒り」はどうなんだろう、根源的な「怒り」の映画なのかなと思うと急に沖縄問題が出て来て政治的な映画になったみたいで、ちょっと違和感があった。あの監督の映画は前に「悪人」を見ていて、あっちのほうが良かったと思った。犯人にしても、最初っから「この太腿って、あの俳優でしかないんじゃね?」って分かってしまうし。その後で色々仕掛けをしてたけど、結局やっぱり彼だった。なんなのあれ。とにかく、期待したほどじゃなかった。

「後妻業〜」は、女より豊悦の役のほうに焦点が当たっていたような。せっかくの大竹しのぶが実質的には助演どまりのようだったのが少し肩透かしだった。そうそう水川あさみが、まだ売れる前のようなチョイ役で意外だったけど、色んな役がやれる人だね。

「ジョゼ〜」は上野樹里のデビュー作ということで見てみたのだけど、割と面白かった。監督が犬童さんで、ワタシ本当は「黄色い涙」があまり好きではないのだけど、これは良かった。あれっ、足がマヒしてる筈なのに立膝しててもいいのか…とか、突っ込みどころはあったけど。池脇千鶴に少し興味が出て「そこのみにて光り輝く」もレンタルした。まだ見てないけど。

「セッション」は、まさかあそこまで意地悪いバンマスはいないだろうと思ったけど面白かった。またバディ・リッチの神業ドラムが見たくなった。今更だけど、ドラムもやりたくなった(笑)。なぜかドラムスティックは持っているんだけど、ま、練習場所とか色々考えると無理なので、何か他の、あまりうるさくない楽器をまた練習したい。

日の名残り」は良い映画としか言いようがない、オトナのための映画だな。若い人が見ても退屈かも。この監督の他の作品も見て見たい(「眺めのいい部屋」など)が、原作のカズオ・イシグロという日本人作家にも興味が湧いて来たな。