新しいアルバム

正直言うと、もうあらしの音楽にはだいぶ興味が削がれていた。きっかけは、一昨年の紅白だったか、初めてちゃんとセカオワの歌を聴いて、ああこれはもうあらしは聴けなくなるな…と思ったのだった。やはり自分たちで音楽をつくる人たちは強い。歌の持つメッセージ性だけではなく、編曲というか音の処理などがあらしのようにプロ任せでない手作り感があって、斬新に見えた。事実それ以降、あらしの音楽はほとんど聴かなくなった。

それに今回は、直前に出た宇多田ヒカルの新譜が気に入って毎日のように聴いていたのだが、特にスローテンポの「人魚」あたりからの割と静か目の曲が中心だったので、元気の良いあらしの曲はどうかな、と思っていた。

そんな経緯で、あらし初回盤 一曲目。あらっ。こちらの不安を知っていたかのような、そろりとしたスタート。タイトルは「ドライブ」だが、スムーズな安全運転というか、うるさくない、気持ちの良い疾走感である。ふ〜ん、いいんじゃない?彼らのアルバムはいつも最初の曲でやっぱりいいなと思わせてくれる。

もっとも2曲目以降はいつも通りの感じといえばそうなのだが、3曲目のUps and Downsとか、Miles Awayとか、最後のDon't You Get Itとか、かなり好きな感じだ。 そして、達郎の曲はアルバムの中で改めて聞くと、昭和歌謡的な存在感をくっきりと示している。せっかくの素晴らしいヒカルのアルバムだったが、それを退けて、まだまだ彼らは快進撃を続けるようだ。

そして、おおの君のソロ!どう見たってBad Boyには見えないのに、あのアホっぽい歌い方でそれっぽく聴かせている。でもどこかで聴いた感もあって、よく考えたらスキャットマンだった。いずれにしろ、踊らずにはいられないし、さとし君がどんな振り付けで踊るのか今から楽しみだ。

Miles Awayは曲というよりは編曲、歌の部分で彼らが今までにない冒険というか試みをしていて、そういう曲が一曲でもあるとすごく嬉しいし、次のアルバムも聴いてみようという気になる。ということは、やっぱりこれからも当分あらしからは逃げられないようだ。

それにしても、アルバム表紙の写真!久しぶりのMyojoかと思ったぜ。