ナガブチ考

最近録画でしかあらしの番組を見ないことが多く、ホントに茶の間に成り下がって(成り上がってか?)いるのだけれど、珍しくリアルタイムでナガブっつぁんがアニキのしやがれを見た。途中からだけど。

私は彼のデビュー曲?か、少なくとも最初のヒット曲の『順子(という字だと思うけど、不確か)』の頃から好きじゃなかった。ジャンルとしてはフォークシンガー扱いだったと思うけど、こんな曲のどこがフォークだ?歌謡曲じゃん、と思っていた。ちなみにベツにワタシは歌謡曲が嫌いというわけでも、増してやフォーク好きなワケでもない。ただ、歌謡曲みたいなフォークが嫌いなのだ。同様の理由でヨシダタクローも嫌いだったのだが(もっとも、タクローの中にはフォークらしきものもあるとは思う)、ナガブチはプチタクローのような感じで受け止められていたように思う。奥さん(最初の)がアイドルだったところまで似てたし。ちなみに、当時の彼は今よりずっと清潔感のあるひ弱でナイーブな感じで、結構女子好きのするタイプだったと思う。

その後、とんぼだの乾杯だのが流行って段々ビッグネームになって行くわけだが、それらを聴く度に、なんてダサイ曲だろうとムシズが走るぐらいだった。それに、彼のドラマを見ていないから経過を良く知らないのだが、いつの間にかひ弱さが姿を消してやたらオトコ臭さが強調され始めたが、なんだかそれも信じられなかった。どこか、すごく無理があるように見えた。

ところが、30代後半に勤めていた会社の男性プログラマーで、ワタシを「姉貴」と呼んでいた20代男子がナガブチのごっついファンで、あれまウッカリ彼や彼の音楽の悪口など言ってはいけないなクワバラクワバラ、と思い始めた。そして、ナガブチふぁんは圧倒的に男性が多いことに気づき、少し興味を憶えたのである。折しも確かNHKだったと思うが、彼へのインタビュー番組があって、それを見た時になんとなく彼や彼の歌に対して、嫌悪感がなくなったことは確かである。だからと言って好きになったワケではないけど。

ビッグネームであり圧倒的な歌唱力というものがあるから、あらしが敬意を払うのは当然と思う。でも正直、あらしが憧れるような対象でないこともミエミエで、実際彼が持参した臭うような何とも言えないシュミの衣装を着せられた都会のオボッちゃま達の当惑振りが笑えた。

しっかし、ナガブチったら一体どこまで行くのだろう?今や歌手というよりK1くずれ?もしくはコワい筋のおにぃさんみたいじゃないのよ。きっと「強くなりたい」という思いが、ああいう風に見せているだけだと思うけどね。根はきっとナイーブなんだから、そんなに毛嫌いすることもないと思うよ、姐さんたち!