広島に

行って来た。事前に広島在住の友人に聞いたら、「厳島神社に行くのはちょっと面倒だから、ツアーの方が楽かも」というので、ツアーに一人参加してきた。添乗員さんがちょっとヒクような変わった感じのヒトで、しかもやたら大声で点呼したりするのでちと恥ずかしい時もあったが、参加者は老若男女赤ちゃんまでで、特に年寄りは耳の聞こえが悪いから、そうせざるを得ないところもあるのだろう。

行きは新大阪までは特急で、それから新幹線に乗り換えて福山まで行き、バスに乗り換えて鞆の浦

尾道を散策。恥ずかしながら鞆の浦というところがあるということすら知らない歴史バカ地理バカなのであるが、行ってみるとなかなか味わい深い港街だった。坂本龍馬の隠れ家があるとかで観光に精を出していて、古い建物がそのまま保存してある。勿論、若い人達はどこか別のところで近代的な生活を享受しているのであろうが、それはそれとして古い歴史も大事にして行こうという、こう言っては失礼だが健気な思いのようなものが伝わる場所で、出来るならもう一度訪ねたいと思わせられた。ここでは、養命酒のようなカラダに良いと言う甘いお酒を土産に買った。滞在は一時間余りだったが、帰りのバスから眺めた海岸沿いに、潮干狩りの家族が何組もいてオドロいた。行きのバスから見たときには防波堤まで海水がたっぷりで、まさかそこが短時間でこんなにあっさりと潮が退いてしまう砂浜とは思ってもみなかったのである。

尾道といえば、映画の尾道三部作のうち「転校生」と「時をかける少女」をワタシは観ているので坂道が多いことは知っていたのだが、千光寺公園から千光寺に向かうまでの10分あまりの坂道は、さすがに息が切れた。さくらの名所とのことだが、まだ5部咲きといったところ。公園(中にあった立て札が、なんだかミョーで笑えたので撮ってみた)

の中に一本立ちしているしだれ桜(だと思うが)だけが満開だったので、そこで一枚、バスガイドさんにケータイで写真を撮ってもらった。ちなみに、この地元のバス会社のガイドさんは実に色んなことをよく知っているプロフェッショナルな方だったので、非常に頼もしく思った。

広島市内のホテルに着いて一旦各自の荷物を部屋に置いた後、バスで数分のところにある「お好み焼き村」に。この日はここでツアー予定は終わりで帰りは個人任せなので友人と待ち合わせたのだが、十数年振りの再会になるというのにあまり変わっていないのでオドロいた。彼女は10歳ぐらい年下なのだが、私が30代半ばで歌の仕事をやめてから数ヶ月派遣のバイトをしていた時に知り合った、東京で得た数少ない友人の一人である。とはいえ、私が田舎へ戻り、彼女も結婚して広島に引っ越したりしてからは、たま〜のメールや年賀状程度の交流だった。今は中学と高校生の男子を育てつつ、公務のパートタイマーをしているという。旦那は関東に単身赴任中なので、隔月一回ぐらいは上京しているらしい。もう数年前になるが、離婚しようと思っているという内容のメールをもらったことがあり、その時ワタシは詳細も知らないまま、「別れない方がいい」と返信した。以来、ほとんどメールのやりとりもなくなっていたのだが、なんとか別れずに来たようなので少し安心した。とはいえ今でも、「子供達の手が離れたらどうするか分からない」とは言っていたが。

どこのお好み焼き店も満員だったが、あらかじめガイドさんから聞いたミシュランに載っているという3カ所の内の一つ、中年女性二人でやっている店に入る。自分の地元でも昔、広島風お好み焼きは食べたことがあるが、やはりここ食べたものの方がずっと美味しい気がした。ちょっとソースが甘過ぎる感があったけど。友人に言わせると、もっと美味しい店があるらしいから、いつかまた来て食べてみたいと思う程、広島焼きが好きになった。

その後、お茶しながら話をしてからホテルまで歩いて送ってもらったのだが、翌日の宮島にも行くから、と言ってくれた。

ホテルの部屋では、しやがれの後半に差し掛かっていたのを見てから風呂に入り、結構歩いたせいかすぐに眠りに就いた。