台湾(台北)に

行ってきた。本当は7月のベトナムツアーに申し込んでいたのだが、6月に入ってから姉の体調が悪くなり、それがかなり長く続いたので、あまりキャンセル料が高くならない内に取り消さざるを得なかった。彼女の体調が回復してから改めて行き先を検討した時は、仕事の関係で2泊しかできなさそうだったし、韓国へ行こうかなとも思ったがMERSが尾を引いていたので、結局台湾に行くことにした。ちょうど直木賞を取った東山さんの「流」を読んで興味が湧いていたところでもあったし。又吉さんの作品もよかったけど、「流」はめっちゃ面白かった。

6月頃からはけっこう本を読んでいた。大学進学の際に興味を抱いていた犯罪心理学関係のものが多く、例の、「もと少年エー」のも読んだ。被害者家族の会見を先に見ていたら買わなかったかもしれないけれど、読んでよかったとも思っている。このことについては、別の日に改めて書くかも。

で、台湾。金曜の昼過ぎに地元の空港をチャイナエアラインで飛び立ち、少しして機内食。鶏肉を使ったあんかけ丼のようなもの。例によってさほど美味しいものでもないが、それなりの味だった。桃園空港に近づいて機内から見ると、あちらこちらに大きな貯水池が見えたけど、あれは農業用水なのかしら。謎だったな。
今回は一人で出発して、向こうの空港で現地ガイドさんと待ち合わせ。他のツアーの人たちを小一時間待って合流し、バスでそれぞれのホテルに向かう。バスの中のテレビはブラウン管だった。車窓から見ると、そちこちにバイクの駐車場があった。
建物は大連ほどバカでかくはないのだが、それでもかなり大きいコンクリート建てのものが多く、外装し直す余裕がないのだろう、一様に古びれた姿のままだった。でも、バラックというほどの貧しさを感じさせるところはなく、活気があった。

バスの中で2万円ほどを台湾元にしたのだが、当日のレートは1元=3.9円とのことだった。途中、例によって土産物屋に。まだ何も買わなかったけど、商品は大連に行った時とあまり変わらなかったような気が。

ホテルの部屋に着くと、早速テレビを点けて見る。チャンネルは多いが、何故か画面が非常にキタナい。歌の勝ち抜き合戦やドラマ、料理番組、お笑い…大連と違い、日本と同じくらい自由な雰囲気だ。ニュース番組では、どうやら李登輝元総統の親日的な言動に対する批判が起きているらしきニュースがあった。こういうのって、やっぱり現地に来ないと分からないよね。日本では、台湾の人は親日派ばかりのように勘違いしそうだけど(少なくとも、私が日ごろ見ている番組では)。
部屋はバスタブなしだったけど、夏だからそれでもよかった。後で知ったが、私以外にも同じツアーの家族連れがこのホテルに泊まったのだが、彼らの部屋にはちゃんとバスタブがついていたとのことだった。

夕食をとるため、しばらくホテル周辺を歩いてみたが、セブンイレブンだのファミマといった日本のコンビニや、ドラッグストアがほんとにそちこちにある。地元らしき人たちが入っている屋台のような食堂ももちろんあったが、何の肉か分からないような、またコッテリしたものが多かったので、結局ホテルの斜向かいのちょっと高級な感じの四川レストランに入って、小籠包とかあんかけ焼きそばとか、アワビが入ったものなど、結構贅沢に食べた。税込で1100元ほどだったか。

二日目は、市内観光。まずは行天宮という寺院(関羽廟)に。中では跪いて何か勤行をしている人たちと、それを後方から座って見守っている人たちがいて、彼らを取り囲む古い建物の中では、おみくじのような占いモノを売っていた。そして、来訪者に一つずつ「平安」と書かれた紙のカード入れに入った、用途のよく分からないプラスチックのカードとお茶菓子のようなものを一袋、無料でくれたのだった。ちなみに、そのお菓子は一見クッキーか落雁のように見えるのだが、日本に帰って食べてみると、全然甘味のない麩菓子のようだった。

30分ほどして、中正記念堂へ。ここは日本でいえば靖国神社のようなところで、中正とは蒋介石のことだという。堂前の広場では儀仗隊という兵隊さんの交代式が1時間ごとに行われており見ることができたのだが、まるで時計仕掛けの人形のような動きで、暑いので吹き出る汗だけが生きた人間である証拠のようなものだったが、勿論彼らはそれを拭うこともしない。よっぽどハンカチで拭いてあげようかとも思ったが、ひっ捕らえらても困るのでやめておいた。中の展示室では、蒋介石やその妻の写真や、その生涯について書かれた文や絵画が飾ってある。

このブログでは、今まで何回も自分が歴史パー子であることを強調して来たが、台湾についても蒋介石についても、本当に知らないことだらけだったなぁと痛感。だって長い間、台湾は中華民国であって中華人民共和国とは独立した国家であると認識していたのだが、実際にはそこのところは未だにウヤムヤなままで、国際的に国家としては承認されていないらしい。だから、日本も台湾とは友好的な関係ではあるものの、ちゃんと国交が樹立されているわけではない。また、台湾の人たちにとって蒋介石は英雄なのかと思いきや、台湾に来てからはとんでもない独裁的な殺戮者でもあったらしい。もっともここは彼の顕彰施設であるから、専ら中華民国を建国した英雄としての彼が語られているだけであろう。じっくり見ている時間がなかったので、絵画の説明などは写真に取って来た。


昼食は、有名だという小籠包の店で、ツアーの十数名がテーブルを囲んだ。それなりに美味しかったが、とびきりというほどではなかった。そういうところは、旅行会社が同じだからか、大連の時と同じなんだよなぁ。

午後は、故宮博物館に。ガイドさんの説明付きで回れてよかったのだが、いかんせん一時間ぐらいなのでとても回りきれるはずもなく、いつかまたじっくりと訪れてみたいと思わされた。

そのあとは民芸品店に立ち寄ってショッピング。とりあえず、職場や家族、ご近所さん用に台湾のお菓子を買った。

夕方からは、オプションでそのまま九份観光へ。これはまた明日にでも。