昨日、とある医院の待合室で

地元の雑誌を見ていたら、ノッポくんが載っていたのでオドロいた。いや、最初は彼だと分からなかった。なんだか小汚い長髪のベテランミュージシャン風で、誰だろうと思って名前を見たら彼なので、え〜っと思ってよくよくその写真を見てみたら、やはりノッポ君その人だったのだ。いや〜ビックリした〜。

最後に会ったのは、もう20年以上前の同窓会だったから無理もない。二次会がなぜかフィリピンバーみたいなところ(スナックだったか)だったのだが、帰りは私の家まで彼の車で送ってもらうことになった。まだ私が離婚して1〜2年しか経ってない頃で、彼は結婚して確か子供さんが二人いると言っていたような気するが、どういう話の流れだったか、こんな田舎でもそこらじゅう不倫ばかりでオドロクという話になり、全く色っぽくない空気の中で彼が、「俺たちもしようぜ〜不倫」と言い、「今度ね〜」と私が返し、でもそれっきり互いに連絡したこともなかったのだ。

次に彼を見たのは10年ほど前だろうか、テレビでパリコレを見ていた時で、観客席の随分目立つ席にノッポは陣取っていた。六尺豊かな体躯の彼は、街でスカウトされて『男子専科』などという雑誌でモデルのアルバイトをしていたこともあったのだけれど、結局家業を継がず、アパレルの世界の人になったのだった。パリコレにはバイヤーとして行ってるんだろうから、随分頑張ってるんだなとは思っていたけれど、この雑誌の記事を読む限り予想以上の成功ぶりである。やはりニンゲン、好きな道にいそしむのが一番いいんだな。

いや〜しっかしね、風貌は変わったけれど、優しい眼差しは昔のままだな。っていうか、この眼差しがなかったら彼だと憶い出すことすらなかったかも知れないな。