ビリー・ジョエルにまつわる、二三の出来事。

今日はビリー・ジョエルの東京ドーム公演だったんだな。聴きたかったな〜。

最初の大ヒット『ストレンジャー』の頃は好きじゃなかった。イントロからしてダサイ、金儲けのための曲だなという印象しかなかった。あの顔も、なんだか嫌だった。そういえば、その前後にヒットしていたジャニス・イアンの『Love is blind』なんかも嫌だったなぁ。どうも、ワタシの音楽の好き嫌いは、金儲けの匂いがするかしないかで分かれることが多いようだ。なら、なんで嵐なんだって言われそうだけど、それはまぁ、ひとまず置いておこう。

とにかく、好きじゃなかったビリー・ジョエルだったんだけれど、初めての日本公演の時、チケットの争奪戦は凄かったようだ。当時(1978年)ワタシは、その少し前に暫く同居していた(というか、転がり込んでいた)同い年の女友達と、彼女の男友達のアパートに同行していた。彼女と、その男友達と、あと数人の男女が5〜6人で一軒家を借りて部屋を割り当てて同居する話があったのだ。そんな「ラスト・フレンズ」みたいな世界が、その頃からあったのだわね。

その時、ビリー・ジョエルの日本公演の話になって、その男友達が、チケットを何枚か入手してプレミアをつけて売るという話をしていた。彼によれば、「苦労して手に入れたチケットだもの、定価では売れないよ」ということだった。世間知らずだった私はその時初めて、そんな小遣い稼ぎをしている人がいるんだということを知った。彼が上乗せしているのは小額だったような気がするけれど、小額でもなんでもリッパなダフ屋行為には違いない。彼は決して人を不快にするタイプの人ではなかったけれど、まぁ抜け目ない人であることは確かだろう。ビリー・ジョエルの名前を聞く度に、このプチ・ダフ屋のことを思い出す。

それから、歌の仕事をしていた頃に元オットの友人の結婚式で、予めリクエストされて『ニューヨークの想い』を歌ったことがある。それまで聴いたことがなかったのだけれど、いい歌だなと思った。この歌は、9.11の直後の追悼コンサートで歌われたのだけれど、映像でジョエルがあの歌を唄うのを見たのは、あれが初めてだったかも知れない。2〜3年前にテレビで彼のコンサートツアーか何かで弾き語りをしているのを聴いた時には、ピアノが上手いのにまずビックリしたけれど、彼にとってはこの曲は場末のジャズバーででも歌う感じらしいことが伺えて興味深かった。

それから、外資の会社にいた頃に、部署の人達とキャンプに行ったのだけれど、帰りの車の中で、USからの帰国子女達が彼の歌をず〜っと歌っていたことを思い出す。やっぱり、すごい流行り方だったんだろうね。

ダサイのかも知れないけれど、私の好きなのはやっぱり『ニューヨークの想い』とか『Honesty』とか『Just The Way You Are』とかかな。最近のヒットはよく知らないけれど、何十年前にあんな名曲を書いていたんだから、ヒットしていようがいまいが、今はもっとスゴイ曲を書いているのだろうな。