恵方巻きを食べた。

ずっとそんな習慣はなかったのだけれど、去年辺りから気にはなっていた。なっていたけれど、丸かぶりなんてお下品ですわ、と思っていた。第一あんな長いもの、胸につかえやしないかと。でも、案外ちゃんと食べられるのだなぁこれが。

多分、気になっていたのは姉も同じだったのだろう。仕事で遅くなって料理するヒマがなかったから買って来たとかなんとか言って、ちゃんと豚汁は作ってあったのだから。私の方は、今年の嫌〜な初夢以来、ホントにロクなことがない。占いのようなものに頼る年齢はとうに過ぎて、実際、星占いもおみくじも一切信じなくなっているのだけれど、今だけはちょいと厄払いをしたいというか、なんでもいいからもうちょっと福を呼び込みたい気分なのである。

しかし、いざとなると姉は、やっぱりちゃんと切って食べると言い、恵方も向かずに普通に食べていた。私は恵方を確認し、黙って願い事をしながら食べた。本来ならば商売繁盛や無病息災を願ってのものらしいけれど、ワタシの願いは一つであった。そう、ヘイワな世の中。それに尽きます(注:ワタシにとっての「世間」とは大野智ファン界隈のことである)。