「うたばん」の翌日に

ランチを一緒に食べていた同僚が、「昨日の『うたばん』見ました?大野くん、バック転じょうずなんですね!?」と驚いたように言っていた。う〜む、このヒトは嵐好きと言っていたが、まだまだ序の口のようだな。「あらっ、大野くんはジャニーズでも飛び切りダンスやアクロバットが上手なミュージカル・アカデミーというグループの出身なんざんすよ。だからバック転なんてお手の物ざんす」というと、えーっそうなんですか?と、別の同僚と共にますます驚いた様子。こうなったらやはり2004年のTop Secretあたりを見せてあげないと駄目かしら?

まぁ、なんやかやアラシゴトでも気忙しかったのだけれど、土曜日の夜中は久し振りに、BSでジョニ・ミッチェルの『シャドウズ・アンド・ライト』のライブ映像を見て、やっぱりむっちゃカッコイイ彼女の歌やギター、懐かしいジャコを見てコーフンしてた。まぁ、昔見た時も凄いメンバーだなと思ったけど、今見ると凄過ぎますな。パット・メセニーなんか若くて、まだ自閉症みたいな演奏だったもんなぁ。

それから、チョン・ミョンフン指揮(東フィル)のコンサートスタイルの『椿姫』にも行ってきた。チョン・ミョンフンは4年前の『カルメン』以来の二度目なんだけれど、大好きな前奏のバイオリンが始まると、いつも、ああワタシはなんで最初に手にしたこの楽器を続けていなかったのだろうと、また後悔の念が押し寄せ、生まれ変わったら絶対にオーケストラのバイオリン奏者になりたい!と思うのだった。でも、歌が始まると、やっぱりソプラノ歌手に!と思うんだけどね。へへ。

アルフレード役のテノールの声があまり好きじゃなかった上に音程が少しズレているような気がしたり、ヴィオレッタ役のマリア・ルイジア・ボルシも少し硬質な感じの歌声だったりして最初の内はちょっと気が乗らなかったけれど、徐々にマリアさんが役に没入していくと同時に歌にも硬さが取れて、終いにはコンサート形式なんだけどオペラを見ているのと変わらないくらい入魂の演技になって、ちょっと感動してしまった。聴衆もだけれど、彼女自体がすごく満足している様子で、両者が心から楽しめたコンサートに立ち会えるなんてことはそうそうないことなので、とてもラッキーに思えた。こんな田舎の、小さなホールなのにね。あ、でも、このホールって、演奏する人が集中しやすい作りなのかも。キーシンの時もそうだったような気がするなぁ。

『椿姫』の小説を読んだのは21歳ぐらいの頃だったと思うけれど、たしか涙なしには読めないような話だったように思う。続けて『マノン・レスコー』を読んだら、これはオトコ達がマノンにとことん振り回される話で、なんておバカな男であろう!と、読んでてイライラしたものだった。殿方というのは本質的にドMなのであろうか、と思えるほどに。他にも、その頃読んだギリシャ神話だの旧約聖書だのは揃ってオペラの題材にされているから、後年のオペラ鑑賞のための予習としてワタシのなんちゃってシックスセンスが読ませたのかも知れないな。

ああ、スバラし過ぎるものが多過ぎて、なんだか毎日酒盛りしているような気分だなぁ。