とは言え、考えてばかりいても

ラチがあきまへんわなぁ。若い頃、とかくナニカと考え事ばかりしているワタシは、姉達によく「走りながら考えろ」と言われたものだ。だってとにかく、稼がなくては生きていけないんだから。

若い頃に戻って、もう一度仕事を選ぶなら何がいいかなと考えると、例えば先日テレビで見たのだけれど、自分で作った靴を自分の店で売っている20代後半だか30代前半だかの女性がいた。そういうのっていいなぁと思う。その人は、有名な靴職人に弟子入りするためにOLを何年かやってお金を貯め、靴作りを習ってから自分の店を持った。靴は手作りだから数万円するけれど順調に売れているようだし、一足3〜4日で出来るらしい。好きなことをして生活が成り立つなんてステキだ。ベツに靴屋じゃなくても、帽子屋でも洋服屋でも古本屋でもいいと思う。小さくても自分の店を持つのっていいなぁ。

でも、ベツにそこまで自主的じゃなくても、店員さんでもいいと思う。私が高校を出て初めて勤めたのは、都内のホテルやデパートにチェーン店を持つカメラ屋さんだった。とあるホテルに配属され、40〜50代ぐらいの温和なおじさまと、30代の未婚の女性という先輩がたに可愛がられた快適な環境だったんだけれど、当時はとにかくカラダが弱くて、勤めて一ヶ月で辞めてしまった。けれど、つくづく勿体なかったなぁと思う。実家がカメラ屋だったので、30代の頃にもDPEの仕事をパートタイムでしたこともあった。給料は安いけれど、写真が出来上がって来るのを見るのはそれなりに楽しくて、悪い仕事じゃなかった。もっとも今ではそんな仕事は需要がなかろうけれども、そういうササヤカな感じの仕事でもステキなのではあるまいか。

A型のせいか社会に役立ちたいという気持ちも強いから、もし生物とか化学が苦手でなければ、臨床検査技師なんてのもいいなぁ。これは昔、父親がやっていたらしいのだけれど、直接的でなく人の役に立てるというところが魅力だな。医者だの看護婦だのってのは、あまりにも荷が重過ぎて堪えられないと思うし。

仕事っていうのはやっぱり細く長く続けた方が良いと思うから、平凡でもささやかな喜びが見いだせる、背伸びしないでコツコツとやれそうなのがいいんじゃないかなぁ。