伊藤若冲−アナザーワールド当日

しやがれを見終わると暫くの間、ちょっと体調が悪くなった。つけ麺の汁が脂っぽかったのにケーキを2個も食べてしまい(むふふ)、その上、チェックインするまではスニーカーだったのに相葉ちゃんちに出掛ける時は踵は低いとは言えミュールだったせいで、足がつってしまったのだ。一日の内でヒールの高さが違う靴を履くと足がつることは前からよくあるのだが、今回は妙に長時間で、一瞬、一生筋肉が戻らないのでは?と思ったほどだった。それで七転八倒して、足湯をして、ようやく少し治まって眠りについたのが2時近くだったのかなぁ。

でも、翌朝にはちゃんと直っていた。ホテルで朝食をとって、部屋に戻って出掛ける準備をしながらテレビで本田圭佑の番組を見ていたら、ホテルを出るのが予定より少し遅くなった。それでも全部は見ていないんだけど。

もうすぐ始まるんだなぁワールドカップ。昨日は韓国に惨敗だったようだけれど、どうなるのかしら。Zeroでのダイジェストを見る限りでは森本くんが良かったみたいだけれど、うちの従弟の息子は中学の時に彼と対戦してるので、森本くんの活躍は嬉しいような悔しいような妙な感じ。いや、きっと彼の活躍は従弟の息子にも刺激になる筈だから、やっぱり活躍して欲しいな。

千葉市美術館に着いたのは11時を少し過ぎた頃だった。始めのところは伊藤若冲本人ではなくて、影響を受けたというその時代の絵師の作品がいくつも展示されていて、当然ながら若冲も最初は模倣から始まったのだということが良く分かる。天才は一日にして成らずだ。当たり前だ。

それから若冲本人の水墨画や着色画を見て廻ったのだが、あれれ、これだけですか?という気分になった。作品数自体は少なくないのに、満足感がない。というか、そうかこれは「アナザーワールド」であって、本来の若冲ワールドはここにはないのだということに今更ながら気づいた。確かに、樹花鳥獣図屏風とか白夜白梅図とか枡目画とかも一度見たいとは思っていたのだけれど、一番見たかったのはなんと言っても動植綵絵と言われるシリーズだった。まぁ、よく調べもしないでやって来たのが悪いのだが、そんなワケで些か拍子抜け。ちなみに、会場で買った本によれば動植綵絵は総て宮内庁三の丸尚蔵館に所蔵されているらしく、たまにシモジモの我々にも一部を見せてくれる機会があるとのことだが、次はいつのことやら。

しかし、その代わりにと言えばナンだが、同時開催の「江戸みやげ〜所蔵浮世絵名品選」で久し振りに鈴木春信の画が見られた。確か二十歳ぐらいの時だったと思うが、東京でたまたま浮世絵展を見て、すっかり春信に魅せられたことがあったのだ。その時に強烈な印象を得た絵は今回展示されていなかったようだが、それでもやはり春信の絵には特別な魅力を感じた。

一通り見て廻った後は、美術館内にあるレストランでランチを取った。一瞬、相葉ちゃんちにもう一回行ってみようかなとも思ったのだが、昨日の行列を思い起こしてやめた。

千葉から一旦東京駅で降りたのが16時頃で、帰りの高速バスの深夜便までかなり時間があった。今からなら歌舞伎の夜の部に間に合うかも知れないなと思い、東銀座までの切符を買った。