昨日のクローズアップ現代で

劇作家としての井上ひさしさんを取り上げていた。井上さんといえば『ひょっこりひょうたん島』と

吉里吉里人(上) (新潮文庫)

吉里吉里人(上) (新潮文庫)

ぐらいしか私は知らず、しかも『吉里吉里人』もワケ分かんなくて途中で読むのを断念したまま、今は段ボールの中にある(と思う)。でも、すごいヒトなんだなという思いはずっとあって、昨日初めてその片鱗に触れたような気がした。

『きらめく星座』や『夢の痂』という舞台の映像が一部紹介されたが、『夢の痂』での三田和代や『きらめく星座』の俳優さん(知らない人)が、井上さんの書いた科白に込められたものを本当に深く受け止めて演じているのが分かり、非常に感動した。

『夢の痂』で「下々の女」が天皇に戦争責任を問うのは、ひいては庶民たち一人一人の責任を問うことに繋がることとは言え、この時代でも大層思い切ったことだったと思う。彼は共産党寄りの人だったようだけれど、天皇制とか政治思想云々より、もっと根源的なことを問いかけているのだろうなと思った。

共産党と言えば最近、保守王国と言われる当県で初めて共産党の町長が誕生した。それはいま私の住んでいるところではないのだが、産まれてから高校を卒業するまで育った町なのでとても驚いた。いくつかとても嫌な思い出があって、若かった私はその町を出たいといつも思っていたが、あの町自体はそんなに保守的ではなかった気もする。非常に個性的で魅力的な人も、ぽつぽついた。ただ、あの町を最後に訪れたのはもう15年ぐらい前になるかと思うが、噂どおり、すっかり寂れた街になっていた。

共産党の町長は、早速自分の給料を30%カットしたそうだ。もうすぐ選挙だけれど、国レベルではこれまで自民と民主と連立政権の3つしか経験していないから、他の政党が政権に立つとどんな社会になるか想像がつかない。町長レベルでも、他の政党の人がトップに立つとどうなるのかを見れるのは、非常に興味深いことだ。