東京へは夜行バスで

行った。11月に札幌ドームに行くことになっているのでそうそうお金が使えないのだけれど、ネットで探してみると、最近の運賃ははただでさえ片道4000円と安くなっている上に、いつの間にかポイントが600点余りも貯まっていたりして、それを使うと3400円で行けるというのだ!これは行かないテはない。

とは言うものの、やはり夜行バスでは寝心地は良いとは言えない。うつらうつらしかしないままに6時50分頃に東京駅に着いた。宿泊はその日の夜に行くライブハウスのある新宿なのだけれど、演奏は夜なので、東京駅から出ている”はとバス”で日帰り観光することにしたのだ。東京には20年ぐらい住んでいたとは言え、仕事以外では、若かったから新宿だの渋谷だのせいぜい銀座ぐらいしか遊びに行っておらず、案外まだ知らないところが多いもの。今回は、築地から浅草、柴又帝釈天という下町を三食付きで巡るというコースにした。

9時に東京駅を出発したのだが、10分も経たない内に仕事の電話が入った。ガイドさんが話している中で電話を取るわけにも行かず、短い留守電を聞くと、とある一人暮らしの女性の件で連絡が欲しいということだったので、体調を崩したのだろうかとメールで尋ねた。幸いすぐに最初の観光地である築地に到着したので降りるなり職場に電話すると、やはり思った通りだった。色々関係者に電話で連絡を取ったりしながら、朝食をとる鮨屋に着いた。

こういう時、鮨というのは本当に便利なファストフードだなぁと思う。あっという間に食べ終えた後も、なかなか繋がらないご家族や関係者と連絡を取りながら、気もそぞろに市場(場外)を歩いていた。が、ガイドさんの話を聞いていなかったので集合場所が分からない。多分、バスを降りたところに戻るのだろうとは思うが、不安を抱えながらだったので市場もロクに見て廻れず、結局バスセンターに電話して乗車場所を確認した。そんなこんなで、築地では鮨を食べただけだった。土曜日とは言え仕事を休んで旅などしていると、決まってこのようなことが起きるからイヤなんだよなぁ。

でも、その後は本人の体調も回復し、ご家族とも連絡が取れて本人を訪ねると言ってくれたので取りあえず一件落着となり、浅草に向かう頃には気楽になれた。

浅草にはサスガに二度ほど行ったことがあるけれど、昔行った時はあんなに人出が多くなかったなぁ。大変な賑わいである。ブロマイドを売る店では、海賊版とおぼしき嵐のウチワなんかも売っていたけれど、待て待て買ってはいかん!と気持ちをナダメつつ、雷門から浅草寺まで小一時間ほどお店巡りをし、11時過ぎにはもう老舗の天ぷら屋さんで昼食を取るのだ。この日も暑い日だったが、雷門口でラムネを売っていたので懐かしくなり、一本買った。勿論、三ツ矢サイダーならもっと良かったかも、だけれど。

天ぷら屋では、私のように一人参加の40代ぐらいの女性や、それより少し年下ぐらいの男性と同席になり、少し話しながら食事を待った。女性の方は広島から来て、一昨日もバス観光で秋川渓谷に行かれたという。旅先で、何日もそんな過ごし方をしている人もいるのだなぁ。

天ぷらも鮨もそれなりに美味しかったけれど、期待したほどでは…。田舎に帰ってみると、案外東京の美味しい鮨屋の鮨とか、天ぷらとかうなぎが恋しくなることがあり、今回はまさに鮨・天ぷら・うなぎのコースだったので小躍りしていたのだが、まぁ、値段も安いしね、こんなものだろうと思う。贅沢は言えない。

午後は柴又の帝釈天界隈で一時間半程の自由時間があった。土産のお煎餅を買ったり、ベタだけど寅さんの撮影現場だという「とらや」(本当にあったんだね!)で氷小豆を食べたりした。それと、自家製で染めているらしいTシャツや小物を売っている店でTシャツを一枚買った。

夕食も老舗の鰻屋ということだったが、ここの鰻が私には一番のガッカリものだった。滅多に食事を残さないワタクシだが、最後まで食べなかったくらいだもの。あれなら、スーパーで買う出来合いの鰻の方がマシかも知れない。まぁ、味の好みも人それぞれだから、一概に言えないけれど。

夕方、6時15分頃には東京駅に戻り、コインロッカーに預けた荷物を出して新宿に向かった。