GANTZ見て来た

封切りされて一週間。やや腰が重かったのは、最近興味を持って見た映画(DVD)が「善き人のためのソナタ」だの「ワルキューレ」だの「華氏911(遅ればせながら)」だのと史実に基づいたものが多く、超現実的なことにはあまり惹かれなくなったことも大きい。作り物の暴力シーンなんか見なくても、現実に戦争という暴力が世界中に蔓延していることをイヤというほど認識させられているのだ。増して、この映画に拘わらず、仕事のことなどで気がかりなことがあると、ワザワザ街に出掛ける気にもなれない。だから今日、この映画を見る気になったことは、それだけ自分の心境がヘイワだったということなんだろう。

実は映画館に着いた時には既に少し本編が始まっていて、入ろうかどうか迷ったのだけれど、次に来れるのがいつになるか分からないと思って無理矢理入った。すると、丁度一番グロいシーンの真っ最中だった。ワケの分からない怪物(星人?)が、色んな人達を殺して行くシーンだ。松ケンの、失禁しているんじゃないかというほどの恐怖の表情が真に迫っている、あの蒼い血がドバドバ流れるシーンである。なるほどこりゃあ子供には見せられませんな。

最近邦画を見る度に思うのだけれど、日本のCG技術、特撮技術というのも大したものだなぁと、また感心した。それだけでも見る価値はあるかも知れない。だけど、なんのためにこんなに殺し合いをしているのかはサッパリ分からない(2部を見れば分かるのか?)。それに信心薄いワタシでもサスガにこれは…と思うほど、殺人兵器と化す千手観音とか大仏破壊とか、罰当たり過ぎ(笑)。やっぱりコミック原作映画の理解は、私にはムリなようだ。

ニノの演ずる玄野くんが、本当はイイ奴なのか、ヒーロー振るのが好きなダケの幼稚な人間なのかはイマイチ判然としなかったけれど、ニノも松ケンも、それなりに良かったんだろうと思う(原作知らないから、よく分からないけど)。でも、アクションシーンに関しては、特撮だけでなく本人たちがもっと動くと思っていたのでちょっと期待外れだったかな。いずれにしろ、当人たちは大変だったんだろうけれど。

何のためにこんなに殺し合いを?というギモンを解くためには後編も見に行かざるを得ないんだけれど、そんなに楽しみでも、ないかなぁ…。