原発事故報道の後

そういえば福島県の郡山に、嫁いでアメリカに居る元同僚の親御さんやご兄弟が住んでおられた筈だなぁと思い出し、政府の記者会見がある度にメールで状況を伝えて来た。郡山は原子力発電所から40kmは離れているのだが、いつどうなるか分からないため、彼女は家族に郡山から出て行くように言い続けているらしいのだが、全て落ち着いた時に仕事を失っているんじゃないかとも不安があり、未だに郡山に残っておられるという。

電気は使えるものの、水のない生活が五日間続いており、給水所で水はもらってくるものの、どこのガソリンステーションもガソリンがなく、彼女の家族は自転車で動き回っているという。

スーパーのミネラルウォーター売り場で1カートンか2カートン買って送れないかと思ったのだが、一家族に2本のペットボトルしか売らないという立て札があった。それではどうしようもない。でも、いざとなったら姉達に2本ずつ買うように協力してもらい、6本だけでも送ろうかと思いつつ、帰宅してヤホーショッピングの水売り場を見てみると、ほとんど売り切れ。ということは輸送されているのかなと思い、もう500mlのものしか残っていなかったけれど1ダース単位で買えるのでカートに入れた。しかし、よく見ると北海道や東北方面には送れないという但し書きがあった。夜のニュースでは郡山にはもう道路が通っていたので、その但し書きは少し前のものかも知れないからと構わず手続きを進めていたが、清算の段になってやはり受け付けられないことが分かった。

NHKの遅い番組では、救援物資は自治体や公共団体で取りまとめて送る(それでも着かないことも多いけど)ので、個人では送らないようにとのことだった。それでは彼女の家族に届かないではないかと思ったが、もっと切迫した人達も居ることを思えば、やはりそこに委ねるしかないのかも知れない。

あらゆる関係者の方々が命を懸けて救援活動をされているが、何しろ余りにも広範囲に甚大な被害なので、現地の人びとは対応が遅いと苛立ちを隠せないでおられる。福島原発から30km以内、屋内退避エリアの避難所近くまで物資を運んで来たトラックは、放射能物質が怖いからと外に出ず、結局そのまま帰って行ったという。あまりに非情、と非難してはいけないのだろうか。放射能物質の被害についての風評が、そんなことを招いているらしい。元同僚の家族も政府の話をあまり信用していないようだが、今夜のNHKでの解説を聴いた限りでは、信憑性があるように思えたし、信じるしかない。どうか一刻も早く、物資を届けてあげて欲しいと祈るばかりです。