『クロッシング(2008年)』と『瞳の奥の秘密』

ちょうど北朝鮮脱北者が漂着したというニュースの前日に、韓国映画の『クロッシング(2008年)』を次姉と一緒に見た。

北朝鮮の惨状については報道番組で見聞きしているものの、こうして韓国の監督で映画になってみると、あまりに悲惨過ぎてちょっと誇張なんじゃないかと疑う気持ちもあった。が、基本的にはノンフィクションなのだそうだ。

ナミダと憤りなしでは見られない映画だが、泣いたり怒ったりしているダケではいけないとも思ってネットを巡っている内に、拉致関係のサイトに行き当たった。そうだ、この問題も全然解決していないのに、今まで何もして来なかった。マスコミが大きく取り上げていた当時は、街頭署名ぐらいはした憶えがあるけど。せめて、また署名だけでもしようと思ったのだが、そこでハタと考えてしまった。署名は北朝鮮経済制裁を加えることの賛同を得るためのものだった。いや、それは・・・。何度考えても、ワタシにはその方法が拉致問題を解決する術になるとは思えないのだな。

瞳の奥の秘密』の方は、ラブストーリーとサスペンスと冤罪問題がないまぜになってる感じだけど、面白かった。冤罪については、遠い昔の話ではなく今も延々とどこの国でも続いているのかと思うと全くやりきれない。いつ自分だって、たまたま姿がちょっと似ているとか、たまたま現場を通りかかったとかで犯人に仕立てあげられないとも限らないのだ。

こういう映画ばかり見てると、なんていう腐った世の中なんだと悲観したくもなる。世界中のどこでも、罪のない人たちが無慈悲で怠慢な人たちのために陥れられている。

一方で、この世の天国とも思えるような楽しい世界もあることを知っている今、どうバランスを取って暮らしていけばいいのか、正直当惑してしまう。夢も見たい。だけど、現実をどうにか変えて行くことも、しなければと思う。見て見ぬ振りをする人間にだけはなりたくない。