元同僚とお食事

だった。ホントは久しぶりに飲みたい気分だったが、ワケあって車でしか行けないことになり、ノンアルコールビールというものを初めて飲んだ。

普段は人様の薦める場所で飲んだり食事することが多いのだが、たまには自分が設定しようと思い、グルメ雑誌を見て決めたお店が、雑誌の説明通り静かで美味しい料理で、彼女も喜んでいた。前回は4人だったこともあるけど、居酒屋で騒がしかったから。彼女とも話していたけど、年取るとどうも騒がしいところが苦手になる。

今回のワタシの目的は、彼女が嵐友であるかないかを探ることだったが、コトは全く違った方向に向かっていった。結論から言えば、彼女は嵐友ではなさそうだった。嵐のあの字も出ないほど、今は現実のレンアイを楽しんでおられるのだ。めでたい。

彼女の相手なら絶対年下でないと合わないだろうなと思っていたが、やはり5歳ほど年下のようである。しかし、50代の、成人した子供を何人か持った女が年下の男性とお付き合いする機会などどうやって作るのかと尋ねてみた。私たちは同じ職種だが、職場はほぼ9割がた女性なのだし。

すると、あれこわ『悪人』の記事でも書いたが、やほーぱーとなーとかいうネットを通して知り合った人だという。彼女の知り合いが先にやほーに出入りしていて、その人の相手はちょいワルだったらしいのだが、それを見て「自分なら絶対ちゃんとした相手と出会ってみせる」と入会し、実際かなりお堅い相手と知り合うことが出来たという。どちらかと言えば再婚相手を探す目的のところだと思うのだが、彼女も相手も再婚する気はないらしい。実際、結婚となると家と家との付き合いになってしまうから、一度結婚で懲りていると、再婚のハードルはかなり高いというのは分かる。成長したとは言え、子供さん達もまだそれぞれの家に同居中である。元同僚は、互いの子供さんたちには内緒で逢瀬を楽しんでいるようだ。

一緒に仕事をしていた時はいつも疲れた表情を見せ、毒舌もひどく、体もでっぷりとしていたが、10キロ以上も痩せて綺麗になっていたのは、そんな理由があったのだ。そして幸せな人は、つい人にも幸せをおすそ分けしたくなるもので、ワタシにも、やほーで相手を見つけるべきだ、ちょっと覗いて見るだけでも面白いからゼヒ!と言い放って、ほろ酔い気分で帰って行った。

「じゃ、帰ったら見てみるね」と返事をしたまま、まだ覗いていない。今日は、来週末にまた仙台に行くための準備をするのに車でホームセンターを廻ったり切符の手配をしていて、途中で一瞬やほーのことを思い出したが、「やっぱ男ってメンドくさい。大人の付き合いかなにか知らないが、もうデートなんかしたくもない」というのがワタシから出た結論であった。