ヴェローナへもバスで

2時間半ほど掛けて移動。バスの中では添乗員がロミオとジュリエットの物語について説明。ええ、ええ、知ってますとも。高校の頃、英語のセンセイがシェークスピア狂でね。同級生達と映画も見に行きましたよ。オリビア・ハッセーのやつね。綺麗だったなぁ。

バスを降りてジュリエットの館までの通路の両側には、またしてもイタリアの有名店がズラリと立ち並び、いささかミスマッチな気はしたが、ミラノと違ってどの店も小振りなので入ろうと思えば入り易く、ウィンドウショッピングを楽しむにも格好の場所となっていた。

ジュリエットの館に着くと大勢の観光客でごった返していたが、何故か館の中まで入る人はあまりいないようで、入場券を買ってすぐに中に入れた。添乗員が入り口まで来て、例のバルコニーにも立てるから写真を撮ってくれるというので、正直、ベタ過ぎてヤヤ抵抗があったが、折角の申し出なので一応バルコニーから手を振って撮ってもらった。館の中には、ジュリエットのモデルになったと言われる女性やその周囲の人達が着ていた衣服や調度品が飾られており、特に、婚礼の日に着たというウェディングドレスは、今から見ると質素とも言えるほど慎ましやかな白いレースの1枚仕立てのものだが、それがとても清楚で美しく映った。勿論、映画と同じような舞踏会の衣装なども見られた。

旅の終わりにミラノの飛行場で、やはり一人参加だった若い娘さんと話した時、結局ヴェローナが一番良かったよねという話になったが、素朴さや古き良き時代と現代性を併せ持つ魅力があったからだろうと思う。

館から楽しくウィンドウショッピングしながら集合場所に戻り、ノヴェンタ・ディ・ピアーブという所まで2時間かけてバスに乗ったのだが、この旅の最大のピンチはそこで訪れた。