旅も5日目。

いよいよ佳境である。午前中はローマまで半日掛けて、またバスで移動。旅の間の乗り物はバスと地下鉄だけだったので、あとになってみると一度ぐらいは列車に乗ってみたかったなと思った。所によっては路面電車も走っていたのだけれど、添乗員から、停車地をいちいち言ってくれず分かりにくいから乗らないようにと言われていたので、乗らなかったし。

ローマ市内に着くと、日本人の「駆け込み寺」となっているというローマ三越に案内され、そこで一旦解散。ローマまで来て日本のデパートで買い物をする気はさらさらなかったのだが、長時間のバス移動で疲れていたこともあって直ぐに出掛ける気にもなれず、店内を何度か見て廻った結果、大きな物は買わなかったけれども、小物を何点も買ってしまった。革のケータイストラップやキーホルダー(しょうさんとあいばカラーの)、かけるだけで美味しいスパゲティが食べられるというソース、香り豊かでイタリアの松茸といわれているらしい干しキノコ、
高級チョコレート(写真は、食べさし(^^;)、
エスプレッソ用の豆など、全部で130ユーロちょいぐらい。

この日までに買った土産の数々。

少し三越周辺を歩いた後、昼食は近くのカジュアルなレストランでアンチョビなど魚介類の乗ったピザを食べた。皮が薄くて美味しかったのだが、アンチョビを奮発してあって、しょっぱかった。

この日の夜はオプションでのカンツォーネディナーに参加する以外、特にこれといった予定もなかったので、地下鉄に乗って、映画は見ていないのだけれど「テルマエロマエ」の舞台になったというカラカラ大浴場の遺跡に行ってみることにした。

最寄りの駅を降りて10分程歩き、入場券を求めたが、50ユーロ札と入場料金に充たない小銭しか手元になく、係員は「オツリガナイ、オツリガナ〜イ」と日本語で何度も言う。おつりが出来るまで、他の入場者が何人か入るのを待ってから、漸く入った。

カラカラ大浴場は、浴場だけでなく娯楽性の高いレジャー施設であったらしく、アスレチック広場や図書館もある。古代ローマ人は午前中は目一杯働いて、午後はアスレチック競技などをして遊び、それから温泉に入ったのだという。温泉は地下にあり、階段を降りて行くとごく一部だが古代の建造物が展示してあった。
    

市街に戻り、他のツアーの人達と一緒に貸し切りとなっているマイクロバスに乗り合わせて、オペラ・アリアやカンツォーネを聴きながらのディナーが出来るという店に。歌手は中年の男女一名ずつ。伴奏は20代ぐらいの女性のキーボード一名で、オペラからは「誰も寝てはならぬ」や「ある晴れた日に」「乾杯の歌」、あとは「帰れソレントへ」「オーソレミヨ」など、いずれも超有名な曲ばかりだった。まぁ、リクエストもそういう曲ばかりだからだろうけれども。女声の音程は高音になるとヤヤ怪しかったものの、どちらもさすがの声量だった。途中、歌手が小休止した時にキーボードがBGMで宇多田ヒカルの First Love など、日本のポップスを弾く場面もあった。日本のラウンジピアニストのレベルと比べると決して上手くはないのだが、勉強熱心さには好感が持てたな。

食事はペンネと肉料理で、全体に脂っぽくてワタシにとってはまたしてもハズレであったが、他のツアーの同行者達とも話したりして、なかなか楽しい夕べだった。