飼い犬が死んだ。

結局、何歳だったのかなぁ。うちに流れて来た時はもう成犬だったから、17歳ぐらいかも。大往生だ。ここ一ヶ月ぐらいはほとんど寝たきりだったけれど、前日までは吐いたり下痢だったりしながらも食欲はあったから、死期が近づいているとはいうものの、もう少し保つかと思ってた。夕方、そろそろ晩ご飯をと思って二階から降りて行くと、真ん中の姉が直前に来ていて、既に亡くなっていたのを見つけた。

私は感情が壊れているのか、今回も、母が亡くなった時でさえ、悲しいというより良かったなぁという気持ちの方が強かった。辛そうだったもの生きているのが。正直、もう安楽死させた方が良いのでは、とすら思っていた。だからきっと、死んで良かったんだ。ケンカしながらも一緒に育った、雄犬のところに逝ったんだと思う。

アメリカに居る友人はずっと二匹の犬を飼っていて、昨年と今年と両方を失ったらしい。彼女の場合、子供もいない専業主婦だから、犬達を子供のように思っていたみたいで、去年犬が死んだ時には自分も死のうと思ったほどだったという。私は飼っている動物が死んでそこまで悲しかったのは、子供の時以来、ないな。

飼っていた犬や猫が死んで硬直している姿を見ると、村上春樹の「土の中の彼女の小さな犬」という小説を思い出す。ハナはうちの庭の椿の木の下辺りに埋められた。