今朝の目覚めは

恐ろしかった。嫌な夢を見たわけではない。目覚めた後のことだ。

夢を見ていた。私はどこかに旅をして、ホテルというよりユースホステルのようなところにいたようだ。そこに外人の女性がいて、その人に買い物かなにか頼み事をして、なぜかお駄賃を10円(!)あげた。それからなにかもう一つ頼んだようなのだが、思い出せない。そのうちに昔からの友人が出て来て、相談があるから彼女の家に行くのに道を訪ねていた(後で考えたら、その家かアパートは、実在の別の友人が昔住んでいたアパートだった)・・・というような夢だ。

特に良い気分でも悪い気分でもなく早朝に目覚めたのだが、それから暫くの間、自分が誰だか分からなかった。両親のことは思い出したが、生きているのか死んでいるのか、分からなかった。自分の仕事を思い出そうとしたが、全く思い出せなかった。勿論職場のことも。本当に自分が何者なのか、皆目分からなくなったのである。

暫く戸惑っていたが、何かをキッカケにするすると思い出した。そうだ、父も母もとっくの昔に亡くなっていたんだ。自分の仕事は○○で、△△というところに勤めていたんだった。今日は日曜だから仕事は休みだ。ここは私の家で、隣に寝ているのは姉だ・・・総てを思い出すまで、2分とまでは行かなかったかも知れないが、1分以上はかかったと思う。これは、相当長い時間だ。

平日ならケータイ目覚ましを掛けているので、起き掛けには半ば寝ぼけて「あれっ、今日は何曜日だっけ?」と思ったり、旅先で起きた時に「あれ?ここどこだっけ…」と思ったことはある。でも、それはほんの一瞬で、そんな「分」のつくような長い時間では到底ない。今朝は、これはまずいことになったと思って声には出さなかったものの、もしその時に隣に寝ていた姉に声でもかけられたら、ヤバかった。えっと、どなたですか?とも言いかねない。いや、口には出さずとも、そういう表情だっただろう。

記憶喪失、でなければ認知症ってああいうことなんだろうな。すごい不安感だよな。今回は初めてだけど、こんなことが何度も続くようなら、一度診てもらう必要があるかも。もう、ないかも知れないけど。ないことを祈るけど。

何がキッカケでそういうことになったのか分からないけど、人間の生活なんてアッと言う間に変わってしまう可能性があるんだな。そのことが、本当に恐ろしく感じた。

でも、ワタシらしいオチもあった。そんなに色々思い出せなかったのに、おおのさとしのことは憶えていたのである。ええっと、私の好きな芸能人は、おおのさとしだ…。案外、他のことを思い出すきっかけはソレだったのかも。恐るべしさとし。恐るべし、ヲタの我れ…。