『大奥』見て来た。

予告編を見た限りでは期待できそうにないような気がしたのに、意外や意外、面白かった。っていうか、もう一回見てもいいくらい。行くのかも。

何が良かったのかなぁ〜。う〜ん、やっぱり姐さんの仰るように、「男女逆転なのだから見たのもの見たものを脳内で『あ、それは女性がかつてそういう扱いを受けていたよ』と、…いざそれが男性の役割となるとどうなのか、変換すれば女性史と言うか社会のあり様が見えてきて」ということも結構大きかったような気がするけれど、単純に見ても相当面白かったと思う。笑っちゃうところもあったけれど、「ふざけんな!」って言いたくなるような感じじゃなくて、くっくっくって感じだったし。

阿部サダヲさんをシミジミ見るのは初めてなんだけれども、やっぱり上手な人なんだなと思った。彼だけじゃなく、配役が全体に良かったんだろうな。荒唐無稽っちゃあそうなのに、不思議なリアリティがあった。堀北さんは肩が衣紋(えもん)掛けで顔がハーフみたいだから、着物似合わないなぁと思ったけど、純情そうなところがあって、最終的には違和感があまりなくなってたし、柴咲さんは、なにかこうスジの通っていそうな人だね、選ぶ作品見ても。大河の「篤姫」なんか、この人が演れば良かったかも。宮崎あおいだとずっと違和感があったんだよなぁ、人気あったけど。線が細すぎて、可愛らし過ぎて頼りないっていうか。

予告編では全然にのみ〜(姐さん呼び)が剣豪に見えそうになかったけれども、本編ではしっかり剣豪だった。道場での稽古の場面が、らしくて良かった。あの場面がなくて、いきなり大倉くんとの試合だったら剣豪には見えなかったと思うけれども。

ニノの演技に関しては、上手い下手じゃなくて、やっぱりワタシはこの人の演じる人の気持ちにいつもスッと入って行けるんだなぁ、と最初の段階で思った。嵐で一番、感情移入し易い。この役が適役だったかどうかについて、もっと背が高かったらという感想も多いみたいだけど、吉宗は水野がイケメンでカッコ良かったから選んだんじゃないだろうから、無問題だと思う。それにワタシは、大宮がちびっ子でなかったらこんなに好きになってなかっただろうし。確かに大柄の方がダンスも映えるだろうし、人気ももっと得易いんだろうけどね。あの小さいところが、彼らの繊細さとかピュアな感じを表現し易いんじゃないのかな。

それと、最初の濡れ場(って、ほどんどあの場面しかないけど)でのにのみ〜の背中はなかなかせくしぃだった。ニノに対してそんな感想を持つことがあるなんて、思ってもみなかった。濡れ場はきっと大奥でのことだと思っていたので、あの場面は意外だったし相手にはぎょっとしたけれど(見ていない人のため、伏せますが)。

とにかく、面白い映画になってました。原作を見ていないのでね。見た人には違和感あるのかも、ですけど。

原作といえば『ノルウェイの森』の予告編をやっていたけれど、えらく陳腐な映画になってそうでがっかり。こうなったら、色んな人が作ってみてくれないかなぁ。もう一度、松ケンを使って(笑)。というか、やっぱりあの作品は映画化しない方が良かったのかも。