りたいあでいたりあ

などと駄洒落てみたけど、とんだ珍道中だった。ともあれ、無事に帰宅できたことを喜びたい。やれやれ。

ベツに狙ってこの日に帰って来たわけではないけれど、自宅に戻るとすぐにさとし君がNHKで迎えてくれた。いたりあも良かったけど、あらしの番組が一週間以上も見れなかったもんなぁ。仕方がないから、ユーツベで一回だけ古い番組を見たことはあったけど。

今回も添乗員付きのツアーだが、基本、ホテルと各市内までの送迎をしてくれるだけで、あとは自由時間。勿論、オプションで半日または一日の現地ツアーを選ぶこともできる。

成田集合が朝8時と早かったので、空港近くの安いホテルに前泊。成田空港内でスーツケースに巻くベルトを買ったが、スーツケースは紫色、そこに青いベルトを巻くと、ジュンノスケにさとしが抱きついているような格好である。夕食も空港内の寿司屋で済ませたのだが、客はみな、大きなスーツケースをレジの横に無防備に置いていた。こんなことは海外ではあり得ないことだろうなと思いながら、私もやや不安は抱きつつもそこに置いたままで食事をした。

ホテルは5000円台の料金だが部屋はとても広く、都内のビジネスホテルの3倍はあろうかと思われた。確かにバスタブなどはやや古いけど、特に不都合もなく、ホテル前⇔空港までの送迎バスも出ているので便利だった。

朝、少し早めに空港に行き、イタリア通貨への両替をしたり事前にレンタルを申し込んであったWi-Fiのモバイル機器を取りに所定のカウンターに行った。確かに一日のレンタル料金は普段使っているauの三分の一なんだけど、保険やらなんやらかんやらで、結局大して変わらない金額になったような。それに、ホテルでもロビーは無料だったり、自分の部屋でも一時間数百円でWi-Fiを使うことも出来るところが多かった。

飛行機の中では窓側の席だったので、一万メートルの上空から北半球の国々を見下ろしてみると、ヨーロッパの入り口まではずっと雪景色で、どの国も春はまだまだ遠いようだった。

ありたりあ航空だったが、行きのCAがいつも男性だったのでオドロいた。最初に飲み物と、小さいビスケットの入った袋を配られる。ビスケットは塩味か甘い方かを選ぶ。オレンジジュースを頼むと、真っ赤な色の飲み物をくれたので間違えられたかと思ったが、イタリアのオレンジは果肉が赤いのだった。それから間もなく食事で、和食かイタリア料理かを選ぶ。どうせ向こうに着いたら嫌でもパスタばかりなんだからと和食を頼んだが、回鍋肉みたいな豚肉の煮込みを中心とした、これって和食?と首を傾げたくなるようなシロモノで、なぜか小さいパンまでついている。まずくもないが旨くもないという、ま、機内食ってみんなあんな感じなんでしょうね。

ローマまで12時間、そこからまたミラノに2時間。行く前は、さぞかし足がエコノミークラス症候群となってバンバンに腫れたりするのかなぁと思ったけど、そうでもなかった。確かに長かったけど思ったほどではなく、旅行ガイドブックを見たり、最近サボってた英語のベンキョウを少ししたり、時々眠ったりしながら、なんとか保たせた。

ミラノに降り立つと、丁度札幌ぐらいの天候なのか、道行く人たちはまだ完全に冬の装いだった。確かにまだ肌寒いけれど、もうすぐ春なんだし、そこまでしなくてもというほど完全防備で、モノトーンが多い。サスガに全体的にお洒落ではあるが、季節の感じ方が違うなぁと思った。

初日は観光もなく、空港からバスでホテルに直行。車窓から隣を行き過ぎる車を見ると、ワーゲンやアウディ、ローバー、プジョーなどというヨーロッパ車がさすがに多いが、日産やトヨタマツダなども負けないくらい多い。

多くの古い建物はそのままの状態で残っており、中国のように、少し目を横にやるとバラック小屋が・・という場面はどこにもない。しかし、至る所にいたずら書きがしてあり、折角の美観を損ねていた。添乗員に訊くと、別にプロパガンダなどではなく、ただのいたずら書きだという。以前見た「クローズアップ現代」で、日本でも問題になっていると言っていたが、国際的ないたずら書き集団のせいなのであろうか、実に残念なことだ。

後半になると、遠くに雪を頂いたスイスの山々が見えた。ビルの屋上の広告塔では、やはりSAMSUNGが目を惹いた。ちなみに、大連の時と違って、日本人タレントの広告は、一つも見かけなかった。

途中、ドライブインで無料トイレに入ったのだが、ド肝を抜かれた。べ・・・便座がないでないの?便座なしの便器に腰掛けて?用を足すらしい。これにはホントにオドロイた。そして、水はけも悪いらしく、それを心配する人は、お尻を拭いた紙をゴミ箱に捨てるのでトイレ全体が臭う。ガッカリ。イタリアってこんな国だったのかぁ・・と、まずは良くない方の印象を植え付けられた。尤も、トイレは有料のところも多く、0.5〜1.5ユーロ払うと、ちゃんと便座付きではあった。

初日のホテルは、これまたなんとも。事前にネットで調べた口コミで予想はしていたものの、夕暮れに外から見るとまるで巨大な廃墟のような古さかつ暗さである。室内は広く、インテリアもそれなり

だが、バスタブも古い。いや、それは構わないのだが、湯を張ろうとして持ち上げた水栓に、髪の毛が何本もからまっていたのにはビックリ。日本ではあり得ないように思うのだが。ちなみに、ホテルのアメニティにはシャンプーはあるが、リンスはない。添乗員の話だと、イタリアは空気が乾燥してる割にリンスをせず、パサパサ髪でいるとのことだったので、ワタシもそれにならって、リンスをせずに過ごした。

機内で食べたものが脂っこかったからなのか、飛行機を降りる直前辺りから、早速お腹に来ていた。キタナい話だが水のような下痢で、食欲もなかったので夕食はとらず、日本から持ってきたおかき(かき餅)を少し食べてお茶を濁した。初日からこれか、先が思い遣られるな・・・と思いつつ、風呂からベッドに。薬は持って来ていたが、飲まなかった。