「オカダっち、俺のこと好きか?」

「大好きだよ」……。これを32歳のオトコ同士のやり取りだと思ってはいささか気色が悪い。いやいや、これは大人の世界の事情でムリヤリ引き裂かれた14歳の親友同士が、時を超えて確認し合った友情の言葉なのだ。

「俺のこと好きか?」と問いかけながら、好きに決まっているという自信に溢れた表情の彼。当然、次の質問も内定していた「好きなトコ、三つ挙げろ」。

いつかヒミアラの罰ゲームで自分の好きなところ10個言わされたリーダーが真っ先に挙げたのが「非常にやさしい」だったが、14歳のオカダっちにも、そこは伝わっていたんだな。2つ目に挙げられた踊りと歌は、友人に対する尊敬の念の証だろう。しかし、3つ目と言われるとなぁ?何だろう…と考え始めた親友に、なんだ3つぐらい言えないのかよぉと、少し喝を入れるようにパイプを落下させるさとし。勿論、迷っている時が落とし時というゲームの鉄則もあろうが、いいタイミングだった。にも拘わらず、ちゃんとキャッチするずんいちさんの瞬発力もスゴイ。

この二人、ずんいちさんの映画宣伝のお陰で失われた18年を急速に取り戻しているようで嬉しい。デビューする、しないは少年達のココロに、大人が想像する以上に微妙な陰影を作り出しているのだろう。さとしのことをやはり親友と思ってくれているらしいマチダくんがどんな気持ちで見ているのか考えると、少し胸が痛くなった。