上原ひろみ

Jの誕生日に、偶然だったけれど上原ひろみのコンサートに行って来た。Jよ、遅れに遅れたけれど、改めてハッピーバースデイ!あなたの代わりに、大好きなひろみさん聴いて来たよ。彼女は凄かった!期待を大きく超えていた。本当はアンソニージャクソンなどとのトリオの予定だったのが二人とも体調不良(!そんなことあるのか!?)で急遽ソロになったのだが、見事にピンチをチャンスに変えた演奏だった。

今回は「東京ジャズ」の地方版といったコンサートで、もう一組、名前も演奏も初めて知った日本人トリオ fox capture plan が先に演奏したのだが、これがまた良かったのなんの!ジャズとロックを合わせたようなバンドで、ワタシは本来ならそういった類いの音楽はあまり好きではないのだが、このバンドは凄く良かった!まぁ、正直ピアノとベースに関しては特別良いとも思わなかったのだが(バンドのコンセプトは多分ピアノが肝だろうから、それは良いとして)ドラムは、これは新しい音楽だな、と久しぶりに思わせられる独創性に溢れた演奏だった。あとでネットで検索してみたら、2〜3年前から既に高い評価を得ているバンドのようだが、ドラムは17歳から始めたということで非常にビックリ。そんな遅くから始めても、あんなに上手くなることもあるんだねぇ。遅く始めたことで手垢のついた演奏にならず、新しい着想に幸いしたのかなぁ。とにかく大盛り上がりで、休憩時間にフロアでCD買おうとしたけど人だかりで買えなかったから、家に帰ってから密林経由で買った(まだ聴いてないけど)。

まぁそんなわけで、前座というワケではないがやはり上原ひろみの方がビッグネームだから、いやいやいやこんなに fox〜で盛り上がっては、ひろみさんプレッシャーじゃないの?と思ったりもした。実際、彼女は非常に神妙な面持ちで登場し、それは勿論、トリオ演奏を楽しみに来た人たちへの謝罪の気持ちもあってのことだろうが、とても緊張しているように見えた。演奏が始まった当初は、ラグタイムを基調とする彼女の演奏を fox〜と比べて古臭く感じもした。しかし!ジャズはやはり自由な音楽だった!!古い奏法を基調としていてさえ、彼女は変幻自在にその上で飛び回り、はじけ飛んでみせた。以前にも増して集中力がもの凄く、プーさんやキース・ジャレットの演奏で聞かれるような、地の底から絞り出されるような唸り声を、女性のコンサートでは多分初めて聞いた。勿論、会場はスタンディングオベーションで拍手の嵐である。

ピアノはYAMAHA製で、気に入っているので世界中そのピアノを運んで演奏しているというが、なるほどコロコロと粒揃いの音が特徴の彼女の演奏には、スタンウェイやベーゼンよりYAMAHAの方が合っているのだろう。そうそう、fox〜の時のMCでピアノの人が、「会場の音響が良くて、演奏していて非常に気持ちが良い」と言っていてビックリした。演奏しているプロが良いと言うのだからきっと良いのだろうが、ワタシ的にはウルサクて、音響的には全然受け付けないものだった。でも、上原さんの時にはちょうど良く聞こえたのだから、やっぱりそこらへんでロック派とジャズ派に分かれるのかも知れない。いまいちロックというものに馴染めない理由の一つには、あのうるさすぎる音響のせいもあるんだと思う。それはトライセラのライブでも感じたものだ。

ちなみに帰り際、fox〜のドラムとベースがCDにサインでもすることになっているのかフロアに出て来ていたが、どこにでもいるような若者風だった。当たり前か。

とにかく、Jの誕生日を非常に充実した気持ちで過ごすことができた。ありがとうJ!そして、あなたにとっても毎日が素晴らしい日々でありますように!!