先日、月イチの外食デーで

姉達とステーキ屋に行った。毎日一緒に食事しているくせに、テレビを見ながらだからその時見ている番組にまつわる話が中心だし、食器を洗ったら私は自分の部屋に籠ってしまうタイプなので、こういう時にしか話さないことも結構あり、それはそれで楽しいのだなぁと思った。回転寿しだとカウンターに座るから、あまり話さないんだけどね。

長姉は何度目かの韓国旅行から帰ったばかりだし、真ん中の姉はこれまた毎年恒例の京都旅行に行くようだし、私も月末に中国の大連方面に行くので、いきおい旅行の話になった。中国に関しては、姉達が行ったことがあるのは上海や香港なので必ずしも参考になる話ばかりではなさそうだが、私があまりにも軽装軽備で行くつもりなので、色々注意を促された。

大連に行くことにしたのは勿論直行便が出ているという気軽さもあるが、母が生前行きたがっていたので長年気になっていたこともあり、また、かつてこの国がかの地にどんな夢を描いていたのか、この目で見てみたい気持ちがある。姉達は元々ワタシなどより歴史にとても興味を持っているので、旅行先では色々史跡を廻りたいのだが、同行する友人達があまり興味がない場合が多く、思ったほど行けてはいないらしい。

予備知識として『幻の大連(松原一枝)』を読んでいるが、久生十蘭の『従軍日誌』といい、戦争の実態を知らない我々が漠然と想像している世界とは百八十度違った、妙にのどかな「戦時中」もあったことを知って驚く。特に『従軍日誌』の方は、「従軍」って何?と思うほどのグータラな日常が記録されていて、それは橋本治の前書きからも覚悟していたものの、それにしても…という世界で呆れるばかりだ。が、まぁ最後の最後まで、むさぼれる平和な空間が少しでもあればそっちに流れるのがニンゲンというものかも知れないな、と思う。きっとワタシだって、この国に戦争が仕掛けられてどこかでドンパチやっていても、こっそり隠れて嵐のDVD見てるかも知れないのだ(ああ、そんなフシダラなことになりませんように。戦争反対!)。