今日は『人間失格』を

観に行ったのだけれど、帰りに職場近くのコンビニに立ち寄ろうとしたら、そこも潰れていてビックリ。この状況、タダゴトではなさそうだなぁ…。

さて、ヤッターマンですら映画館には足を運ばなかったのに初日にトウマくん観に行くなんて、自分でもオドロく。少し遠いシネコンの小さな映画館で、客の入りは6〜7部というところ。女性がほとんど。

トウマくんの葉三は、私にとってはあまり太宰とはシンクロしなかったけれど、筋だけ追って行けばあんな感じなんだろうな。前半では、「そうだよね、案外ダザイの悩みってこんなスナオな感じだったのかも」と思ったりもしたけれど、物語が進んで行く内にやっぱり違うような気がしてきた。でもそれは、トウマくんの演技がイマイチだったとかいうのではなく、監督はきっと、生まれながらにして心の底に流れていたであろう孤独感を描くことまではやろうとはしてはいなかったのかも。まっ、そんなもの描いたって仕方がないもんね。昔のフランス映画じゃないんだから。そう考えれば、彼の演技は言うことなしだったと思う。

ただトウマくんは、色気なのかなんなのか年上の女をトリコにするモノが足りないかもなぁ。イケメンで退廃的というだけで、あんなバッタバッタと女どもが一目惚れするもんかしら。年上の女、年上過ぎる女たちですらコロリと惚れさせてしまう男には、悪いけど程遠いような気が。トシ取ればそれなりに目が肥えて来るんだからさ。まっ、そんな男、現実に会ったことないから、じゃあどんな風な男がそうなのよ?と言われると、よく分からないけどね。

共演者たち、特に三田佳子とか室井が達者だった(と言っても、脇役は全般にかなりクサイ演出です)。会ったことはないけど、室井は演劇部の後輩。いつ見てもうまいから、鼻が高いよ。