正月ももう半分

過ぎた。年末年始は二日しか休みがなかったとはいえ、正月のまったりした感じはそれなりに味わえるものだな。

テレビではクラシック音楽番組の中で面白いものがいくつかあった。ひとつは、もう有名な指揮者なのだろうけれど私は初めて聴いたパーヴォ・ヤルヴィ指揮のベートーヴェン-交響曲第5番「運命」(ドイツ・カンマーフィルハーモニー管弦楽団)。まぁ今ドキ「運命」を聴く機会自体あまりないのだが、この「運命」にはびっくりした。出だしの♪ダダダダ〜ン、ダ、ダ、ダ、ダ〜〜ンのところがイヤに短いと言うか畳み掛けるような感じで、いつもこの曲を聴く度に感じる「宿命」的な重苦しさが一切、い・っ・さ・い・無いのである!指揮者本人は、これがフツー、譜面通りと言っておられるらしいので、多分そうなのだろう。でも、だとしたら、他の指揮者さんたちはどーしてこれまであんな重苦しい「運命」をオーケストラに演奏させて来たのであろうかというギモンが湧いて来る。とにかく、いつか潤くんがラジオで言っていたグスターボ・ドゥダメルの指揮シモン・ボリバル・ユース・オーケストラ)以来のオドロキであった。

もう一つは、オペラ「2010リゴレット・イン・マントヴァ」のジルダ役、ジュリア(=ユリア)・ノヴィコヴァの『慕わしき御名』の歌唱だ。このソプラノは初めて聴いたし、ネットで検索してもあまり名が出てこないところを見ると、まださほど有名な人でもないようだ。とはいえ、ドミンゴとの共演なのだから有望な人には違いないのだろうが、とにかく素晴しい歌唱だった。元々好きなアリアなので、その場面だけ何度も聴いてしまった。

こういう将来有望な音楽家に初めて触れた時の喜びというのは格別なものがある。十数年前にテレビで初めてメトの記念公演で歌うルネ・フレミングを聴いた時、何の予備知識もなくジョシュア・レッドマンバンドでのブラッド・メルドーを聴いた時。「見ぃ〜つけた、明けの明星!」という感じである。自分の琴線に触れた人が、あれよあれよという間にスターダムにのし上がっていくのを見るのは気持ちいい。

そうそう、ニノの演技や大野くんのダンスを(DVDで)初めて見た時も、そうだったんだよなぁ。