高校時代からの友人の

お母さんが亡くなられ、仕事で葬儀には出られなかったのでお悔やみに行った。車で一時間ちょっとかかる所だ。

友人は普段神奈川に住んでおり、葬儀を済ませるとすぐに自宅を後にしたらしいので会えなかったが、鼻の辺りが瓜二つの弟さんにご自宅に案内してもらった。高校の時に訪ねたご自宅は、もう元の場所にはないのだ。

ご母堂には高校の時に一度か二度遊びに行ってお会いしたきりだったので、遺影を拝見しても、あらこんな感じの方だったっけ…といった印象だった。友人は昔からしっかり者だったので、高校の頃、「きっとお母さんは躾の厳しい方なんだろうね」と私が言ったら、「ううん、母親がしっかりしてないから、長女の私がしっかりしなきゃっていつも思うのよ」と言っていた。認知症を患われ、ここ数年は病院生活だった。最近はもう食事も口からは無理になって来ていたらしく、つい最近も電話で、胃瘻にした方が良いかどうかと友人から相談を受けていた矢先だったけれど、胃瘻する前に亡くなられたそうだ。

友人は、自分たちだけで世話をするのは不公平だと主張する弟さん達との取り決めで、嫁ぎ先の神奈川からわざわざ毎月入院先に洗濯物を取りに来ていた。それが私からみればいかにも気の毒だったが、こうなってみると、充分に親孝行出来て、思い残すことがなくて却って良かったのかも知れない。お母さんは彼女が訪ねて行くと嬉しそうな表情を見せておられたというから、「もういいよ、ありがとう」というお気持ちで逝かれたのかも知れない。

亡きお父様の趣味で建てられたという、手入れの行き届いたお屋敷を立ち去る前、ふと玄関から襖や額に入れられた書を見ると、小学校の頃に通っていた書道教室の先生の作品だった。県内では有名な書家の方だ。訊けばお父様とご昵懇だったそうで、つくづく世間は狭いものだなぁと思った。

それにしても、毎日暑い。従姉が骨折して入院しているため犬を預かっているのだが、今朝は5時半頃から散歩した。でも、帰り道の6時過ぎにはもう日差しが強くなり始めていて、暑いのだ。明日はもっと暑くなるというし、年々暑さが増して行くんだろうなぁ。あ〜やだやだ。